緊急地震速報が鳴り、身構えたのに揺れが来ない。「もう立ち上がってもいいの?」と迷った方もいるのではないでしょうか。
気象庁は、揺れが来なくても、緊急地震速報を見聞きしてから1分程度は身を守るなど警戒するよう案内しています。揺れ始めた場合は、時間だけで判断せず、揺れが収まるまで身を守ってください。
「1分経ったら必ず安全」という意味ではありません。その後も周囲の状況と、気象庁・自治体などの情報を確認して、落ち着いて行動しましょう。出典:気象庁「緊急地震速報について」
この記事では、2026年10月16日の過大な緊急地震速報について分かったことと、家・運転中・外出中に取る行動を整理します。
緊急地震速報が鳴ったのに揺れないとき、いつまで待つ?
| 今の状況 | 取る行動 |
|---|---|
| 速報を見聞きした直後 | 揺れるか確かめる前に、まず身の安全を確保する。 |
| 揺れを感じない | 見聞きしてから1分程度は、身を守るなど警戒を続ける。 |
| 揺れ始めた | 1分を過ぎても、揺れが収まるまで身を守る。 |
| 警戒した後も揺れが来ない | 周囲の安全と公式情報を確認し、落ち着いて次の行動を判断する。 |
気象庁FAQによると、震源から離れた場所では、速報を見聞きしてから強い揺れが届くまで時間がかかります。鳴ってすぐに揺れないからといって、その場で誤報と判断するのは避けましょう。
また、強い揺れが数分続いた地震もあります。「速報からの待ち時間」と「揺れが続いている時間」は分けて考えてください。

2026年10月16日は何が起きた?「M9.9」は過大な推定
気象庁は2026年10月16日12時40分、北海道から中部地方に対して緊急地震速報(警報)を発表しました。緊急地震速報の処理で、震源を千島列島とし、地震の規模をマグニチュード9.9と過大に推定したことによるものです。「M9.9の地震が実際に発生した」と伝える情報ではありません。
同日17時30分の第2報では、遠い震源に国内用のマグニチュード計算式を適用したことに加え、マグニチュードの計算と震度の予測で使った震源が異なっていたことを説明しています。出典:気象庁・第2報
第3報:700km以上離れた観測点を除外する機能に不具合
同日22時40分の第3報では、震源から700km以上離れた観測点をマグニチュードの計算に使わない機能が、正常に動作していなかったことを公表しました。遠い観測点のデータを使ったことが、過大推定の原因の一つとされています。
気象庁は同日21時30分ごろに緊急対策を実施。その対策により、今回の地震に対しては緊急地震速報(警報)が発表されなくなることを確認したと説明しています。今後の調査と必要な対策も続けるとしています。出典:気象庁・第3報(10月16日22時40分)
これは今回と同じ地震に対する対策の確認結果です。今後の速報で予測の誤差がなくなると説明されたわけではありません。
家・運転中・外出中で違う、速報直後の行動
速報が鳴ったら、画面の詳しい表示を読み込む前に身を守る行動を取ります。気象庁の場面別案内を、日常の場面に沿ってまとめました。
| いる場所 | まず取る行動 | 避けたい行動 |
|---|---|---|
| 家 | 頭を守り、丈夫な机の下など安全な場所へ。 | あわてて外に飛び出す。無理に火を消しに行く。 |
| 自動車の運転中 | ハザードランプで周囲に注意を促し、緩やかに減速。大きな揺れを感じたら道路の左側に停止する。 | 急ブレーキをかける。 |
| 屋外・街中 | ブロック塀の倒壊、看板やガラスの落下に注意。丈夫なビルのそばなら建物内への避難も考える。 | 周囲を確かめずに走り出す。 |
| 店など人が多い施設 | 係員の指示に従い、落ち着いて行動する。 | 出口へ一斉に走る。 |
| 電車・バスの車内 | つり革や手すりにしっかりつかまる。 | 揺れに備えず、立ったままスマホを見続ける。 |
出典:気象庁「緊急地震速報を見聞きしたときは」。表の「避けたい行動」には、公式案内の趣旨に沿った編集上の注意も含みます。学校・職場では、施設の防災計画や先生・担当者の指示も確認しておきましょう。
家族で決めておきたい「鳴った瞬間の場所」
「地震が来たら机の下」と知っていても、寝室や台所にいたらどうするかは、とっさに決めにくいものです。落ち着いているときに家の中を見て、部屋ごとに頭を守れる場所や倒れてくる家具がないかを確認してみてください。
次の表は、家族で話し合うための記入例です。実際に確認した場所だけを書き込み、家具の配置を変えたら見直しましょう。
| 確認すること | わが家で決める内容 |
|---|---|
| リビングで鳴ったら | 丈夫な机など、頭を守る場所:____ |
| 寝室で鳴ったら | 倒れる家具・落ちる物の確認と、身を守る場所:____ |
| 子どもだけでいるとき | その場で取る行動と、落ち着いた後の連絡方法:____ |
| 離れているとき | 連絡方法:____/避難が必要な場合の集合場所:____ |
速報直後に身を守る場所と、避難が必要になった後の集合場所は、別々に決めておくと確認しやすくなります。短い声かけも「頭を守って」などにそろえておけば、家族に伝えやすくなります。
揺れなかったから、次の速報も無視していい?
次に鳴ったときも、まず身を守ってください。今回の発表で揺れを感じなかったことは、次の速報でも揺れないという判断材料にはなりません。
気象庁は、速報を見聞きしてから強い揺れまで数秒から数十秒しかない場合があると説明しています。「本当かどうか」をSNSで調べている間に、身を守る時間がなくなるおそれがあります。確認は安全を確保した後に行いましょう。
今回を理由に警報を無効化するのではなく、鳴ったときの行動を家族で確かめる機会にしておくと、次に迷いにくくなります。
よくある疑問
1分たてば、必ず机の下から出てよいですか?
必ず安全になるとは言えません。「1分程度」は、揺れが来ない場合にも警戒する目安です。揺れている間は身を守り続け、周囲の状況や新たな情報にも注意してください。
速報が鳴ったら、すぐ外へ逃げるべきですか?
家庭では、あわてて外に飛び出さず、頭を守って丈夫な机の下などへ移るのが気象庁の案内です。まずは今いる場所の状況に応じて身の安全を確保してください。
「千島列島・M9.9」という表示を見たら?
2026年10月16日の件については、気象庁が過大な推定だったと発表しています。その表示だけを切り取って、実際にM9.9の地震が起きた情報として広めないようにしましょう。
参考資料・更新記録
確認日:2026年10月17日(日本時間)。今回の事案は10月16日22時40分の第3報までを反映しています。原因や対策の新しい公式発表を確認した場合は、この節と本文を更新します。

